そうは言っても、すぐに自炊を増やしたり農家を支援したりといった行為はハードルが高いかもしれません。そういう人は、加工食品を買う場合はなるべく国産の原料を使用したものを多く選んだりするところから始めてみてはどうでしょう。第2回で自然食やフェアトレードの店でもパームオイルが使用されている現状を紹介しましたが、それでもやはりこうした店には国産にこだわった食品が多いため、パームオイルの代わりに米油や菜種油を使った商品も多数あり、通常のスーパーに比較すると選択肢は多くなります。最後にメンバーから報告のあった商品から、パームオイルフリー、かつ他の問題も少ないと思われるものを幾つか紹介しますので、参考にしてみて下さい。
●フェアトレードのチョコレート:
純度の低いチョコレートには、カカオバターの代わりにパームオイル等の植物油脂が使用されています。従って純度の高いチョコレートを買えば、パームオイルは避けられます。しかし、カカオ豆自体にもアフリカにおける深刻な児童奴隷の問題があり、店頭のチョコレートにこうした問題のある原料が混じっている可能性もあります。第3世界ショップのチョコレートは、フェアトレードで、かつカカオバター、あるいはひまわり油など、比較的問題の少ない油を使用している商品が多くあります。ただし値段が高いことがネックです。
●自然食品店のインスタントラーメン:
通常の即席麺は「植物油脂」と表示され、何の油が使用されているか分かりません。しかし、自然食の店には国産の油を使ったラーメンがあります。(ヘルシーラーメンしょうゆ味:一袋168円 オーサワジャパン、十穀ラーメン:一袋168円 桜井食品株式会社など)スーパーで通常の即席麺を5袋200円前後で販売していることを考えれば、やはり高めですが、一袋170円程度と値段も手頃です。
●自然食品店の菓子類:
自然食の店では、小麦やジャガイモなどの原料に無農薬・国産といったこだわりのある商品が多いのですが、油は通常通りというものが多いです。しかし中には油にまでこだわったものもあります。例えばオーサワのポテトチップスは非遺伝子組み換え菜種油使用がセールスポイントで、値段も80g89円 と手頃です。クッキーやビスケットにも菜種油等、パームオイル以外を使用したものがありますが、こちらは全般的に値段がかなり高くなっています。間食の頻度を抑える動機にもなるかもしれません。
●自然食品店のカレールー:
動物性の油脂より健康によいというイメージからか、こだわりの店の商品でも意外にパームオイルを使ったものが多いのがカレールー。しかし中には菜種・米油・豚脂使用のルーもありました。(ムソーのカレールー409円)。ただし、この豚がどのようにして飼育されたものかまでは分かりません。
●ナッツ類:
胡桃やピスタチオなどのナッツ類は、どこで購入しても比較的パームオイルを使っていないようです。
●石鹸:
パームオイルフリーの石鹸は、自然食品店やフェアトレードのお店などで見つけるのはそう難しくはありません。買いだめしておくと良いかもしれません。
(了)
Vol.1 パームオイルの問題を再確認する
Vol.2 パーム油の表示がない!?(植物油脂という表示)
Vol.3 「公正」と「健康」という視点
Vol.4 私たちにできること
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