Group Reaearch

back
prev_btnnext_btn
title

運動療法 

/第5回共同リサーチ:健康であるためのオプション~世界の補完代替医療~Vol.3

leader from from
三沢健直 松本市
day
2009-05-06
 

補完代替医療の効能

 「わたしは病気です」と自信をもって言えないような疲労感や肩の凝り、あるいは原因不明で手が上がらない、などのときに世界で一般的に利用されるのは運動療法やマッサージ系の補完代替医療です。
 
 世界のメンバーからは、フランスのキネジテラピー、ドイツ発祥のピラティスなどの運動療法、さらに中国や日本の整体やアメリカのカイロプラクティックなど骨格の歪みを正そうとする療法、アーユルベーダのようなオイル・マッサージやタイ式マッサージなどの利用事例が報告されました。

運動療法

 フランスのメンバーは、出産後の「骨盤底筋肉」の回復のためキネジテラピーという運動療法を受けたそうです。医師の処方があれば10回まで社会保障で無料とのこと。フランスのキネジテラピーでは、運動(自分で体・筋肉を動かす)の他にマッサージも受けられます。キネジテラピーは日本では理学療法と呼ばれ、整形外科やリハビリテーション科などで行われているので、補完代替医療というより通常医療の一部として理解されているようです。

 運動療法として、ピラティスやヨガ、太極拳などの回答もありました。以下、回答を引用します。

○ピラティスを利用している人(34歳、ブラジル出身、女性、フランス在住)
 「コンテンポラリーダンスを職業としていますが、膝を壊したために一度手術をしました。結果、さらに痛みが酷くなり、西洋医学以外の治療法を模索していてこの二つに出会いました。」
 「ピラテスでは、膝の周囲の筋肉を鍛えることで膝への負担をなくし、痛みを和らげるための運動を続けています。痛みは徐々に和らいでいると感じています。鍼は、ピラテスを始める前に、どうしても痛くてしかたがなかった時に時々行っていました。治療中は痛いですが、終わると痛みが引いていき効果を実感していました。」

○ヨガを利用している人(46歳、デンマーク出身、女性、ロンドン在住、尺八奏者)
 「ヨガは、15年ほど前に、マラリアの高熱のため声が出なくなったとき意識的に「医療」として利用しました。西洋医療の医者には「もう一生声を出せないだろう」と宣告されていました。もともとオペラ歌手だったのですがる思いでヨガを始め、1年ほど本格的にヨガを実践し、声を取り戻すことができたのです。
 オペラ歌手として復帰するまでには声量が戻りませんでしたが、普通に会話する分には全く支障なく発生することができます。」

 ピラティやヨガは、日本ではスポーツと理解されていて、スポーツには、リハビリや予防に明らかな効能があるのですが、日本では「治療施設」ではなく「教室」において伝授されるのが一般的です。

 一方、フランスのキネジテラピーは、病院とは別に独立した治療施設としてあちらこちらにあって、診療所には、ジムにあるような器具が置いてあるそうです。関節や筋肉に関連する問題の他にも、幼児の細気管支炎の際に、キネジテラピストによる胸のマッサージが一般的に利用されるようです。メンバーの報告が興味深いので引用します。

 「第一子を妊娠中に引ったくりにあってしまい、持っていたバッグを盗られないようにがんばったところ、筋を違えたのか左腕を肩から1cmも動かすことができなくなってしまい、一般医から10回キネジテラピーにかかるよう処方してもらいました。」
 「(略)この時は肩・腕の治療も必要でしたが、妊娠後期の体で引ったくりにあってしまったという事件には精神的にも身体的にも“ケアを受ける”必要があり、腰や背中のマッサージを受けられるという点に非常に惹かれました。」

 キネジテラピーは運動療法としての効能の他に、「精神的なケア」の機能も持つようなのです。この点は、メンバーが報告したすべての補完代替医療に共通している点であり、補完代替医療の可能性を示す特徴の一つと考えられます。

 キネジテラピーの施術をするためには、専門の学校を卒業後に国家資格を得る必要があり、安全性が保証されます。医師の処方があると年間一定額まで社会保障でカバーされるため費用も高くないそうです。
 海外旅行保険の医療保険でも、医師の処方があれば運動療法が保険適用だそうで、補完代替医療の中では最も身近なオプションかもしれません。

北京の公園には運動器具が設置されている


風邪は汗をかいて治す

 ところで、関節や筋肉の障害だけでなく、風邪の際にも運動療法が効くという意見もありました。メンバーの一人は、風邪の予防として挙げたのは、なんと「サーフボーイ」です。サーフボーイとは、電動の波乗りマシンのことです。メンバーの報告を引用します、

 「代替医療の内に入らないような気もしますが、冷え性の私には、大事な風邪予防グッズですので、書いてみました。サーフボーイは、どの程度利用されているのかは分かりません。ただ、『風邪の引き始めには、とにかく走る』という知人は2人いますので、『好き勝手に運動』で病気を予防している人は、意外にいるのかも知れません。」

 このメンバー自身も、「風邪の引き始めにハーバルスパで汗をかくと一気に治る」を実践しているそうです。運動療法は、意外に身近な補完代替医療のようです。

 次回は、整体やカイロプラクティックなどのマッサージ系のサービスについて報告します。


Vol.1 第5回共同リサーチ「健康であるためのオプション~世界の補完代替医療~」
Vol.2 伝統医療と補完代替医療 
Vol.4 カイロプラクティック、整体、マッサージ
Vol.5 針灸治療
Vol.6  漢方薬
Vol.7 ホメオパシー?
Vol.8 レイキ?
Vol.9 補完代替医療の特徴
Vol.10 補完代替医療の可能性(最終回)

このエントリーをはてなブックマークに追加





member
クリエイティブ・コモンズ メンバー募集 メルマガ 受託型リサーチ レアリゼブックストア サポーター募集 twitter mixi face Flickr