Group Reaearch

back
prev_btnnext_btn
title

ボランティアという選択肢

/第7回共同リサーチ:チャリティーとは~寄付やボランティア行為を『ジブンゴト』に Vol.4

leader from from
江崎絢子 オレゴン州ポートランド市
day
2011-01-18
 

 前回は、「チャリティー行為の動機とコミュニケーションの関連」について報告しましたが、今回はボランティアを行う動機についてです。

 前回報告したように、チャリティー活動の信頼性や効果について評価するために、そのチャリティー活動団体とのコミュニケーションを重視する回答者が多くいました。

 ところで、自分が興味のあるチャリティー活動や非営利団体のプロジェクトに参加し、団体と緊密なコミュニケーションをとる形として、ボランティア(無償で労働し、労力や技術を貢献する行為)があります。今回のリサーチでは、「寄付だけではなく、ボランティア活動を行うことにも興味がある」、そして「経験がある」、と答えた回答者も多くいました。

ボランティアを行う動機

 「寄付をするか、ボランティアとして参加するか、選択肢があったらどちらを選びますか。」というアンケートの問いに対して、半数近く(29名)の回答者は「ボランティア」と答えました(「どちらとも言えない/その他」25名、「寄付」6名)。

 「ボランティア」を選んだ人々が述べた理由の中には、活動の現場を実際に自分の目で見て、活動の一部となって参加できることの良さを強調する答えが多く挙げられました。

Habitat for Humanity(貧しいコミュニティーで家を建てる活動に参加するプログラム)


 アフリカやアジアなどの途上国での活動、災害被害者の支援、特に子供や女性への支援に興味がある、という英国在住の回答者は、ボランティア活動に参加する意義として、「本物の情報」を挙げています。
 「通信の技術が発達しているので、現地に行かなくてもたくさんの情報を簡単に手に入れることができる」が、「実際に世の中で起こっていることを自分の目で見て経験して判断し」、「実際に自分で現地に出向くことで得られる本物の情報」を得ることができると。

 一方、ボランティア活動に参加するのは、「自分の為の教育」であるという意見もありました。「自分の生活圏内で、無理なく活動を継続できる所を探し」、ボランティア先を選んだという東京都在住の回答者は、「自分の興味のある分野の現状を知りたくて」参加した、という動機を述べています。

 必ずしもボランティア活動自体が効果的な解決策ではない、という声もありました。「ケニアの小さな村で三週間ほど学校や井戸の建設を行うプロジェクトに参加した」経験があるというカナダ在住の回答者は、こう答えています。

 「医者、農業技術者など技術力のある方であれば、寄附をするよりボランティアを行うほうが何十倍も効果がある」、しかし「特別な技術のない先進国の人間が、十数何万円払って飛行機に乗ってボランティアに行くぐらいなら、そのお金で途上国で人を雇って仕事をさせるべきではないか」。

 とは言え、「自己満足」的な要素が強いかもしれない専門技術を持たない人のボランティアでも、「世界観を広げる」、「自身の見識を広げる」、「貢献しているという実感を得る」、などといったポジティブな結果につながるという利点もあるので難しいところです。また、非営利団体や国際協力などの分野で働くことを希望する人にとっては、欠かせない現場の経験を習得する機会でもあります。

ボランティア活動を選ぶための情報

 さて、ボランティア活動に参加経験があると答えた回答者(60名中55名)は、どのような形で参加する活動を選び、ボランティアを受け入れる団体に関する情報を得ているのでしょうか?

 過去にボランティア活動に参加したきっかけや選択の方法について、寄付の場合と同様に「友人の誘い」、「両親の影響」など、口コミや知り合いを通して情報を収集するという回答が多く集まりました。
 同時に、「興味のある活動をしている団体のボランティア募集情報を、インターネットで見た」(東京都)。『開発』『援助』のキーワードでインターネットを検索し、ヒットした団体でボランティア活動をした」(ルワンダ共和国)。「mixiで翻訳のボランティアを探していたので応募した」(東京都)。など、インターネット検索やソーシャルネットワーキング・サイトも多く利用されているようです。

ワールドアガペという韓国系キリスト教団体(LAのskid Rowでホームレス等に対する炊き出しの様子)


 「ボランティア活動への参加方法や、それらの活動の影響について、どのような媒体による情報が信頼できると思いますか。」という問いに答えた回答者(計60名)のうち半数以上(37名)が「参加者の声」を回答のひとつに選びました。
(回答の選択肢は以下の通り、複数回答可。テレビのニュース、ドキュメンタリーなど、参加者の声、各団体からのレポート、報告書、新聞記事、その他)

 ボランティア活動に関しては、「参加する自分自身のスキルや経験を深める」、「直接貢献することにより充実感を得る」、などという個人の満足感に期待する人が多いためか、ボランティア先を探す人は、やはり頼りになる体験談や現場からの情報を求めているようです。

 各団体によるコミュニケーションに加え、ニュース番組、ブログ、関連トピックに関するウェブサイト、ソーシャルネットワーキング・サイトを通した情報交換など、チャリティー活動への参加機会や、チャリティー団体の活動成果に関する情報を伝える媒体は数知れずあります。

 メディアの役割はチャリティー活動にどのように貢献しているのでしょうか?次回のレポートではメディア、報道のあり方の現状と課題についてを取り上げます。


Vol.1 チャリティーの文化
Vol.2 「寄付」と「税制」の関連性
Vol.3 チャリティーの動機とコミュニケーションの重要さ
Vol.5 寄付やボランティアとメディア

このエントリーをはてなブックマークに追加





member
クリエイティブ・コモンズ メンバー募集 メルマガ 受託型リサーチ レアリゼブックストア サポーター募集 twitter mixi face Flickr