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ナチュラルハウスを創る Vol.4~土地を探す ~

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2006-12-03
 

 2000年夏、ワークショップで得た手ごたえを元に、我々夫婦もコブ・ハウスを建てようということになりました。 まず第一段階としては建てるのに向いた土地を購入しなければなりません。 テキサス州は面積も広いし車でも家でも大きいので有名なところですが、オースティン市内は90年代にハイテク産業が発達して地価が高騰し、また市内では色々規制もあり個人が勝手に家を建てることができず、市外に土地を探すことになりました。

 我々が物件に求めている条件は、主に下記のようなものがありました。

・洪水の危険がないこと
・土地からコブ構築に使える粘土または砂がとれること
・どの市内にも属さない土地であること(市内になると色々建て方の規制があるので)
・雰囲気のいい地区であること
・オースティンの市外でありながらできるだけオースティンに近いところ
・5エーカー以上の広さであること(1エーカー=約1200坪、サッカー場一つ分)

 最後の項目ですが、このような広大な土地を購入する理由は、我々の将来の展望の一つにコハウジングをつくりたいという夢があったのです。 (コハウジングについては下の関連記事「オーストラリアのコハウジング―『 ピナカリ 』」を参照して下さい。)
 実はこの同時期にオースティン近辺にはコハウジングを発足させようと動いているグループが1つ2つあり、我々もミーティングに参加してみたりしたのです。

 ですが、その歩みののろさ、将来性の頼りなさを体験し、自分たちで土地を開拓し、我々の理想とする生活を実践した方が、我々と共に共同体をつくろうという同志も集まってくるのではないかと考えました。 そこで、それが実現するしないは別として、そういう可能性もある土地を見つけたいと考えたのです。

 さて、土地購入の資金ですが、話を聞いた僕の父が5万ドル投資してくれることになりました。 我々はこれを主に3つに分けて考えることにしました。 1)1万ドルを建築用の小型トラック購入用に、 2)2万ドルを建築費に、そして3)2万ドルを土地購入の頭金として使う、というのが内訳です。 先のワークショップや本などではほんの数百ドルでコブ・ハウスを建てた人の話を耳にしていましたから、これだけの予算があれば充分すぎると考えたわけです。

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 土地を探す過程において最初に我々がしたことは不動産業者に頼んで物件を探してもらうこと、そして当てがあるにしろないにしろオースティン郊外をドライブして見て回り、どの地域が我々にとってよさそうか見通しを立ててみることでした。

 実際に、後者はすぐ方向性が見えてきました。 オースティンの南北は衛星都市が広がり、かなり遠くまでドライブしても市街地だらけで、我々が家を建てるような状況は皆無でしたし、西側は丘陵地帯できれいなところは多いのですけど景色がいい分地価も高く、また土の質がひどく建築には不向きでした。 ということは残されたのは東、30マイルほど離れたところにはBastropという小さな町がありましたが、オースティンの影響で近年急成長しており、また土地も平らで建てやすそうでした。

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 が、実際に色々物件を見てみたのですがこれはなかなか理想的な物件に出会えませんでした。 まず気付いたのはアメリカの土地にはDeed Restrictionというものがあり、市内外であるに関わらず色々その土地でできることできないことに関する規制があったのです。

 これは地価を守ることが目的で作られていることが多く、誰でも役所に行って自分の所有する土地にリストリクションを課することができるのです。 例えば一般的な住宅地(Subdivisionといいます)にはここに建てられる家は最低何平方フィート以上の広さでなければいけないとか、豚を飼育してはいけない(匂いがひどいので)とか、一エーカーに一軒しか建ててはいけない(過密を避けるため)、などです。

 で、市外特に町から離れれば離れるほどリストリクションの少ない土地が増えるのですが、そういう地域は逆に制限がないぶん近所の家もひどい状態のものが多く、庭にガラクタやポンコツになった古い車が放置してあったりしていわゆるミドル・クラス出の我々にとっては耐え難い状況であることが多かったのです。

 ですが逆にリストリクションのある地域では自分でコブという変わった手法で建てるというわけにはいかないことがほとんどで、探索作業な難航しました。 最初に人から進められて雇った不動産業者の方もプロセスが停滞し始めると意欲を失い、2000年初冬には我々は業者に頼らず独自で物件探しをせなければならないことになりました。

 毎週日曜日に広告に出る物件をあさってはそのオーナーもしくは販売を担当している不動産業者に電話し、物件の住所を聞いてドライブするという作業で、もちろん週末にしかできないことですからよけいに時間がかかりました。 木のびっしり生えていて暗い土地、殺伐として木も全くない平原、素晴らしくきれいな小川が流れているのにそのせいで洪水の危険大な土地。 いったい数ヶ月の間に幾つの物件を見たことでしょうか。

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 しかし、地道な努力がついに実り、2001年初めに我々は理想的な物件にめぐりあったのです。 8エーカーの青々とした草原で、何本も大きな樫の木が生えていて、大きな池もあり、Bastrop市の西側、オースティン寄りでありながらBastropの町内へも車で5分と理想的な場所で、値段も6万ドルと我々の手の届く価格でした。 最初に行って見た日は曇っていましたが、僕は一目見て「これはいけるかも」と感じたのを覚えています。 この土地には家は建っていなかったのですが、周りにはフェンスで囲ってあり、オーナーは牧畜のために使っていました。 

 売り手との交渉もまた色々紆余曲折ありストレスのたまるものでしたが、無事に全て障害を乗り越えて購入することになりました。 2001年4月、ワークショップを訪れてから一年近くの歳月がたっていました 。(つづく)


ナチュラルハウスを創る Vol.8 ~屋根の枠組み~
ナチュラルハウスを創る Vol.7 ~コブの壁 ~
ナチュラルハウスを創る Vol.6 ~土台~
ナチュラルハウスを創る Vol.5 ~家の置き場所 ~
ナチュラルハウスを創る Vol.3 ~コブハウスとは ~
ナチュラルハウスを創る Vol.2 ~コブハウス・ワークショップでの体験 ~
ナチュラルハウスを創る Vol.1 ~日本人オーナー・ビルダーがテキサス州で面した現実 ~

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