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移民国家南米:アルゼンチン

~ベルリンのスペイン語~

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たかもとみさこ ドイツ・ベルリン
day
2005-08-23
 

ベルリンの外国人増加とスペイン語熱

 私が住むベルリンの、ここ数年の移民増加の勢いには目を見張るものがある。週末夜遅い満員の電車に乗り込むと、一車両のなかで三ヶ国語の会話が聞こえるなんてのは日常で、一人で何ヶ国語も操ってまぜこぜに話している人もいれば、同じ母国語のグループの話に耳を傾けると、実は皆国籍はバラバラだったりする。

 こうした外国人増加が進むベルリンで、今大人気なのはスペイン語学習だ。スペイン語ができれば、スペインはもちろん、そう遠くない島々での休暇でも便利だし、南米ではポルトガル語圏のブラジル以外、そしてセントラルアメリカでも心強い。ラテン音楽やダンスのブームも手伝って、スペイン語熱は上昇する一方だ。

 スペイン語文化圏のバーが増え、ラテンの音楽で踊れるクラブは大人気。太陽がない国の人たちにとって、笑いと光があふれる国から来た人たちはまぶしく見えると言う訳だ。

 スペイン語の醍醐味は、国際語の英語と違い、第二言語として誰とでも話ができるというのではなくて、いろいろな国のネイティブと、彼らの母国語で会話ができるという点だ。そうしたグローバルな性格に惹かれて、私も何度か語学コースに顔を出したが、来ていた生徒は親子連れに、カップル、おばあさんと、本当に幅広い。

南米移民国家

 スペイン語がもつ多文化性は、国境を越えてコミュニケーションが出来るというだけでなく、スペイン語圏である南米のマルチカルチャー気質にも当てはまる。植民地化や、移民の波を受けて、南米諸国家には本当に多種多彩な人たちが暮らしているからだ。その中でも、アルゼンチンはその代表格である。

 日本でブームした「島唄」、それを同じく唄って流行らせたのはアルゼンチンの歌手アルフレッド・カセーロだったが、2万人も居ると言われている日系人(なぜか5万人とも言われている)が暮らしている。

 なかでも沖縄からの移民が大半で、多くは花屋や、クリーニング屋を経営している。アルゼンチンに、イタリア移民が多いことは、「母を訪ねて三千里」を思い出して頂いてもわかるかと思うが、その他ナチス台頭と共に多くのユダヤ人が逃げてきたし、戦後になるとナチスだったドイツ人も移住してきた。

 移民国家であるだけではなく、アルゼンチンでは出生主義をとるため、国内で生まれたら人は皆アルゼンチン人という法律があり、複数のパスポートを持つ人の数は増える一方なのである。つまり、この国でパスポートを二つ持っているのは当たり前のことなのだ。

パスポートは本当にただの旅券なのだ

 知り合いの家族は、両親の片側がオーストリア人、もう片側が東欧人のユダヤ系。子供たちは当然オーストリアとアルゼンチンのパスポートを持っていて、EU同士のドイツでの滞在許可も簡単におりる。

 こうしてアルゼンチン人は、ギリシアや、イタリア、ロシアのパスポートを、アルゼンチンのパスポートとうまく使い分けている。EU諸国の人だとビザ代がかかる国への入国には、アルゼンチンパスポートを使って入国。EUに戻るときには、EU諸国のパスポートを使うというわけだ。彼らにとって国籍を記すパスポートは、タダのチケット(旅券)なのである。


イスラム教徒のほうっかむり
ドイツの裸事情II. 原始への帰還とテクノ・クラブ
"クールな移民言語"
「ベルリン中近東事情 ケバップ対シュヴァルマ」 (上)

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