今、日本では、アパート代を払えず、車の中で暮らしたり、24時間サウナや漫画喫茶等で寝泊りしたり、日雇い仕事で暮らすホームレスやフリーターの労働者が増えていると言う。また、こうした人のほかにも、路上でダンボール生活をしたり、テント暮らしをしたりている人たちもいる。
日本ではこうした人達を「住所不定労働者」、「ネットカフェ難民」、「ホームレス」等、さまざまな名前をつけて呼んでいるが、彼らは、ハッピーなのだろうか、アンハッピーなのだろうか。
ロサンゼルスのホームレス地区
ロサンゼルス(アメリカ)でも、年中温暖な気候の中、路上でテントを張ったり寝袋を使ったりして暮らしているホームレスは、大勢人いる。地方自治体の出先機関であるLAHSA(ロサンゼルス・ホームレス・サービス・オーソリティ)の最新調査によると、2007年時点でロサンゼルス郡内にいるホームレスの数は約7万人となっており、その多くが市内ダウンタウンのセントラル地区に集まっている。
そんなセントラル地区には、ホームレスに食べ物を配給したり、最低限の物資を支給したりする大きな社会福祉組織の救護センターがある。
また、セントラル地区では、毎月1回ホームレス地区の現状視察ツアーが行われている。ツアーの主催者は、セントラル地区の商店や事業で構成される商工会議所の事業改善部門(BID)で、主な参加者は、セントラルの住人、近隣地区の商店・事業主、教会や市民団体、マスコミ、市議会議員、ロサンゼルス市警(LAPD)らで、毎回約50名前後の人が参加している。
私が参加した時は、長年この問題に取り組んでいるロサンゼルス市議会議員のジャン・ペリーや、LAPDコマンダーのアンドリュー・スミス、セントラル地区に隣接したリトル東京地区やアーティスト地区の商業関係者らといった「政治、治安、商業」等の観点から参加している人から、人道的視点で参加している教会関係者や一般ボランティア市民、それにマスコミ関係者まで多様な職種や背景の人々が参加していた。

セントラル地区の救護センター前でツアーの流れを説明するセントラル地区BID主催者、中央がLAPDキャプテン・スミス、ピンクのシャツの女性がカンシルウーマンのジャン・ペリー

最近の状況を聞き、救済プランの紹介をするツアー参加者