reports

MEDIA

back
prev_btnnext_btn
title

世界の子どもたちを救うために、コカ・コーラに話してみよう

leader from from
Optimist World
day
2010-04-28
 

 コカ・コーラは設立から120年余りを経た今なお、あらゆるキャンペーンを駆使して世界のソフトドリンクのトップであり続けようとする努力を惜しまない。

 コカ・コーラの赤と白の「旗」は、世界のどこにいても見ることができる。24時間眠らない世界の大都市にある最大級のプラズマ・ディスプレイから、数世帯からなる小さな山麓の村のトタンでできた店先まで。

 人口の密集する商業地域から、都会と隔絶した地域に至るまで、喉の渇きを癒したい人々は、必ずこの発泡性飲料を手に入れることができる。コカ・コーラをどこでも買えるのは、最も隔絶した地域まで物流経路を充実させようとする努力の結果だ。


 そして、20年前にザンビア北東部の遠隔地で国際開発ワーカーをしていたサイモン・ベリーが、5歳未満の子どもの5人に1人が下痢による脱水症状によって亡くなる、という状況を解決するために着目したのが、コカコーラのこの流通経路の広さである。

 ベリー氏は、幼児死亡率を下げるための素朴なアイデアを抱いてきた。下痢の原因は取り除くことが可能なのだ。すなわち、コカ・コーラの物流ネットワークを利用して補水塩を供給し、幼い命を救おうというのである。

 このアイデアを認知させるキャンペーンを起こすのは、骨の折れる努力であったが、ベリーがより多くの協力を得て彼の取り組みを強化するためにFacebookグループを立ち上げたことが、このキャンペーンの転機となった。

 先月、そのコカ・コーラのキャンペーンがBBCワールドサービスで特集された。そこでベリー氏は、Facebookグループが「すべてを変えた」と言っている。

 「最初は、いっこうに進展が見られませんでした。
 しかし、この『Facebookグループ』のおかげで、短期間にたくさんのサポートを集めることができたのです。私たちがこのアイデアを現実のものとして、実際に何人かの命を救うには、継続的な支持が不可欠なのです。」

 3ヶ月前にFacebookでグループを立ち上げて以来、キャンペーンは4000人弱(訳注:現在8700人以上)の会員を獲得しており、6月(訳注2008年)には「ニュー・ステーツマン」誌の「ニュー・メディア賞」にノミネートされるという快挙も。さらに同月ベリーは、コカコーラ社全体のステークホルダー担当責任者サルバトーレ・ガボラ氏との会合を果たし、彼のキャンペーンの画期的な進展につながったのだ。

 この会合ではいくつかの論点が取り上げられ、結果、両者がそれぞれ様々なタスクを担当し、キャンペーンの進展に貢献することになった。それらの行動要項のひとつは、コカ・コーラ社と協力してベリー氏のアイデアを試し実行できる、1つないし複数の非政府組織を特定すること。

 もう一つの論点は、経口補水塩の消費に悪影響をもたらしかねない問題として、飲料水の汚染が引き起こす重大な危険だった。汚染されていない水で経口補水塩を安全に使用するための解決策として、除菌錠剤か同成分の粉末形が考えられた。補水塩と混ぜ合わせることで、汚染によるリスクを避けようという案だ。

 ベリー氏は、リスクを克服するこのアイディアを精査するために、キャンペーンの支持者でもあるインドの補水プロジェクトからアドバイスを求めるつもりだ。ガボラ氏とベリー氏の両者は、このような研究と開発は、組織から構成や手順に至るまで、現地の条件で行われることが重要であるという点で意見が一致している。

 コカ・コーラ社の2006年版「企業の社会的責任(CSR)の評価」において、エドワード・ネヴィル・イスデル会長兼最高経営責任者(CEO)は、同社が「世界的規模のローカル企業」であることを強調した。

 さらに、イスデル氏はこう付け加えた。「弊社がサービスを提供している200余りの国々で、地元コミュニティーの持続可能な成長を妨げる問題は、弊社の事業の持続可能な成長をも妨げる。私たちの消費者が健やかでない限り、弊社が長期的に上手く行くことは望めない。」 コカ・コーラ社は昨年、同社が飲料やその生産において使用した水を最後の1滴まで還元することを確約した。

 ベリー氏が始めたコカ・コーラのキャンペーンは、オンラインでもオフラインでも発展と前進を続けている。コカ・コーラ社のガボラ氏によると、タンザニアで今進められている調査プロジェクトおよびテストケースでは、コカ・コーラの物流のモデルを分析し、「プロジェクト促進のために、いかに利用可能かを検討」している。さらに同氏は、アフリカ中、さらには世界各地で、同社の物流機構に上手く適用される信頼できる手段が、この調査で見出されることを期待する、と付け加えた。

 コカ・コーラ社の2006年のレポートによると、同社の戦略的展望の一部は、「現存するか、あるいは新たに出現する社会・環境問題とその可能な解決策を特定し、それに取り組むこと」とある。かつて、このようなキャンペーンは、「実践的な行動」に立脚しつつ、商業セクターが政府や非政府組織(NGO)と共通のビジョンの下に働くという点で、飲料メーカーが取り組んできた従来型の社会責任プロジェクトとは異なると認識されていた。

 ベリー氏のキャンペーンは、インターネット上の取り組みに多くのサポーターが集まるにつれ、日増しに活気を増しつつある。どんなキャンペーンでもそうであるように、アイデアの果実は、一人一人の意思によって実現される。たとえ「友達をグループに招待する」をクリックするような、小さな意思であっても。

出典:Optimist World(2008年8月4日) 原文:Vipul Bhatti 翻訳:猿渡 薫

編集部注(2010年4月28日):

 その後、ベリー氏はColaLife(2009年に正式に法人組織として登録)を立上げ、医療必需品や除菌タブレットを収納するケースである「AidPods」を広める活動をしている。AidPodsは、コカコーラの赤いケースの隙間(ビンの首の部分)に、ぴったりはまる逆三角形のケースで、ケースと一緒にどこまでも運ぶことができる。(ビデオ参照 http: //www.colalife.org/about/aidpod/) 

 2010年4月27日現在、プロジェクトの進捗がどうなっているかFacebookページで質問してみたところ、早速ベリー氏から回答が来た。

 「Coca-Cola committed to trialling 'the ideas behind ColaLife' a year ago. This was broadcast on UK national radio and you can listen to what was said here: http://www.colalife.org/2009/12/31/top-10-achievements-for-2009/

 The next step is pre-trial fieldwork to put the partnership together for an independently evaluated trial. We are liaising with Cola-cola on the place to do this. I'm giving up my job in June to focus on Colalife full-time. No funding yet but we are working on that.」

 「コカコーラ社は一年前、「ColaLifeキャンペーンが推進するアイデア」の試験をすることを約束しました。この「約束」ついて、2009年4月25日に放送されたBBCラジオでカバーされました。このページのリンクから、インタビューの録音を聞くことができます。http://www.colalife.org/2009/12/31/top-10-achievements-for-2009/(英語)

 現時点で目指す次のステップは、第三者評価を通してこの試みの実践性を確認することです。ColaLifeではこれの実現に向けてコカコーラ社と協力しています。私は今年の 6月をもって仕事を辞め、Colalifeにフルタイムで専念します。まだそのための資金はありませんが資金源の確立に取り組んでいるところです。」

 活動は着実に広がっているようだが、まだコカコーラ社は1年前の約束を果たしていないようだ。この約束を必ず守らせるために、さらなる市民のサポートが必要だろう。ソーシャルメディアの新しい可能性を示す事例として、今後も注目したい。


このエントリーをはてなブックマークに追加





クリエイティブ・コモンズ メンバー募集 メルマガ 受託型リサーチ レアリゼブックストア サポーター募集 twitter mixi face Flickr