reports

COMMUNITY

back
prev_btnnext_btn
title

地球を犠牲にしない交通のあり方

leader from from
Carbusters Czech Republic
day
2010-07-12
 

 「もし、あなたが交通システムの最終形を設計するとしたら、公共交通は無料にして、車の利用には大幅な課金をすることでしょう。」ニューヨーク市長、マイケル・ブルムバーグ氏は、そう言う。

 現在の交通システムのあり方は転換期にある。石油への依存度を減らし、環境に配慮した都市を築いていくためには、従来の移動手段のあり方を変えることが必要だ。誰でも使用できる無料の公共交通こそが交通機関の未来なのだ。

 無料の公共交通は、環境に優しい方法での移動を選ぶ人々への報酬であり、車を運転するより社会・環境の観点でも優れた移動手段を選ぶ経済的インセンティブになる。
 つまり公共交通が無料になることで、通勤・通学者は交通費を節約でき、一方で車での移動にかかる費用が、より多くの人々に、自分の車を家に置いて出かけるよう促す。
 更に、車の利用者のうち男性が大きな比率を占める今日の社会において、公共交通手段への投資は女性がより快適に移動できるシステムへの投資となり、男女均等の実現にも貢献する。

 公共交通の無料化に伴って、車の交通量は減少し、公共交通への需要が高まる。これは公共交通機関に必要な容量や利便性の改善につながる。さらに、切符の回収係や管理者、車掌などを、バス運転手、電車の運転士、駅員、交通整備員として再教育することで、より魅力の高い公共交通機関を作ることができる。また、公共交通が無料になることで利用者の購買力が高まり、地域経済の支えになる。

 ただし、公共交通の無料化は単独の改革として捉えるのではなく、環境に優しく住みやすい公平な都市を実現するための改革の大きなパッケージの一部として考えるべきだ。公共交通の無料化と共に、少なくとも短距離移動において、徒歩やサイクリングを促進する交通インフラの改善や、混雑エリアへの進入料金など車の利用を減らすための努力も必要になる。

 徒歩とサイクリングは、 最も環境に優しく、かつ健康的な移動手段であり、車の代替案として促進することは素晴らしい。しかし、誰もが歩きや自転車で会社、学校、及び娯楽施設に行くことができる贅沢な状況にいるわけではない。

 子供、障害者やお年寄り、そして職場から遠い郊外に住む通勤者や、気候が屋外での活動に適さない地域の住民にとって、歩きや自転車での移動は選択肢にならず、これらの人々の現実に見合った対策を考えなければならない。

 歩きや自転車で通勤できることが、自家用車を運転することと同じように、階級の問題であるという点も考慮されるべきだ。低所得層の人々はたいてい都心や職場の近くに住むことができず、郊外に住んでいるのが現実だ。 

 公共交通の無料化は、車に替わる環境に優しい交通手段を推進し、車から公共交通へと交通手段が転換することを促進する。しかし、この改革の最も重要な効果の一つは、より公平な富の再分布につながる社会の変化だ。公共交通機関が無料になれば、誰もが何らかの形でその恩恵を受けるが、一番の変化は郊外に住む低所得者への利益だろう。

*Irwin Kellner 氏(MarketWatchのチーフエコノミスト)は、「Win-Winソリューションというものが実在するなら、これがその例だろう。」と言っている。(MarketWatch は、Wall Street Journalの一部)

*2009年9月にPlanka.nuは「Travel Doesn’t Have to Cost the Earth (交通は地球を犠牲にする必要はない)」(www.planka.nu/rapporter)という都市交通の公約を公開し、スウェーデンのストックホルム市に対し、環境に優しく社会的に公正な交通機関作りについて5つの提案を提出た。



成功事例

 1996年にベルギーのハッセルト(Hasselt)市では、「市は、すべての人々の移動する権利を保証する」という標語を掲げ、公共交通を無料にした。同時に、市長は市内の「グリーン通り」を公共交通機関の専用にすることを提案し、この改革の結果、バスの利用者は1,300%以上増えた。

 スウェーデンのオケルボ(Ockelbo)市では路線バス、通学バス、その他の公共及び半公共の交通機関を一つのシステムに統合し、同時に無料にした。その結果、公共交通の利用者が260%以上増加し、その半分以上が以前は車を運転していた人々だった。この交通改革によって、管理コストの減少したために、市の経費削減にも役立った。


バンコクについて、手短に
車輪の上の女性たち~解放のサイクリング(ダッカ市、バングラデシュ)~
車を置いて、ブーツを履こう!!(カーフリー・ウォーキングとは?)
車と経済-常識という鉄鎖から解放されるために
「車のない生活」がもたらす子供にとって5つのよいこと
カーバスターズ-車のない社会を目指して-

このエントリーをはてなブックマークに追加





クリエイティブ・コモンズ メンバー募集 メルマガ 受託型リサーチ レアリゼブックストア サポーター募集 twitter mixi face Flickr