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車を置いて、ブーツを履こう!!(カーフリー・ウォーキングとは?)

leader from from
Carbusters Czech Republic
day
2010-09-11
 


歩くのに車を使わないのは言うまでもない。「カーフリー・ウォーキング(車を使わないウォーキング)」とは一体何だ?と多くの人が思うだろう。
 「カーフリー・ウォーキング」とは、イギリスで始まったムーブメントで、リクリエーションとしてウォーキングを楽しむ人たちに、車の代わりに公共交通機関を利用してウォーキングをする場所へ行くよう促すことを目的としている。
 ウォーキングガイドの紹介や公共交通機関を利用してアクセスが可能なウォーキング情報を提供する英国のウェブサイト、Car Free Walks (www.carfreewalks.org)のティム・ウッズさんは、車がなくても都会から離れてウォーキングを堪能する機会は簡単に見つけられる、と言う。さらにウッズさんは、カーフリー・ウォーキングの環境や健康への影響に加え、地方の公共交通機関を支えるという利点についても説明してくれた。


 あなたのお気に入りのウォーキングはどんなものだろう?考えただけでブーツとリュックサックを手に取って出かけたくなるようなウォーキングがあるだろうか?

 それはきっと、アルプス山脈の元気が湧き出てくるような登山や、海岸沿いの海を見ながらの散歩に違いない。丘のそばで満車となっている駐車場を思い浮かべたり、帰りに渋滞に巻き込まれる空想に思いを馳せたりする人はほとんどいないだろう。
 しかし、大自然でのアウトドア活動を求める人が増える一方で、多くの人がその大自然にたどり着く手段は車なのだ。騒音、排気ガス、交通渋滞による目障りな景色によって平穏な風景は徐々に汚染されている。

 解決策はごくシンプルだ。 「カーフリー・ウォーキング」を促進させる事。多くの人が車の利用量を減らすことを望んでいるが、ウォーキングの目的地まで公共交通機関を利用して行くことは簡単にできる第一歩だ。アウトドアというと大抵、公共交通機関サービスの利用を全く考えずに、車の運転に頼る傾向がある。田舎では特にそうだ。

 リクリエーション活動のために公共交通機関の利用を促すことは、カーフリー運動を広める絶好のチャンスだ。車への依存を減らす努力は、車による悪影響が明らかな大都市に焦点が置かれることが多い。
 車の運転が『必要不可欠』と思われている通勤や通学などの移動が、持続可能な交通手段を使って行うことができると、多くの人に理解してもらうことはカーフリー運動の重要な一部だ。

 同様に、レジャー活動の中でも、私たちの習慣を変えるよう促すことも重要だ。そうしなければ、目的であるはずの『新鮮な空気』を見つけることが、今より一層困難になってしまう。

車のオルタナティブ(代替策)を考えてみよう

 二酸化炭素(CO2)の排出量削減によって、地球温暖化への悪影響を抑えるなど、カーフリー・ウォーキングの環境面の利点は明らかだ。同様に、車の使用を減らすことは地元コミュニティーの環境改善、すなわち、田舎の清清しさを守り、大都市のようにならないことに貢献する。車を持ち込むことで、田舎らしさが増えると思う人は、まずいないだろう。
 また、カーフリー・ウォーキング は、人気のあるウォーキング・エリアの渋滞を減らす。ウォーキングのスタート地点は、いつも車や駐車違反などで溢れている。

 その他にも、カーフリー・ウォーキングを推進する理由はたくさんある。例えば、健康管理だ。世界保健機関(WHO)によると、成人の約60%が運動不足だという。家からバス停まで歩くだけでも、車の代わりにウォーキングを取り入れれば、運動不足の改善につながるだろう。

 更に、カーフリー・ウォーキングは地方公共交通機関の支援に貢献する。多くの国において、地方の公共交通機関は、ウォーカーにとって大変便利であると同時に、車のない生活をしている地元住民にとってはライフラインと言っても過言でない。
 しかしながら、地方公共交通は十分に利用されていないことが多く、存続さえ必死という状況も少なくない。だから、ウォーキングを楽しむ際に地方の公共交通機関を利用することは、地域の公共交通サービスの維持に貢献することにもなる。

 ただし、カーフリー・ウォーキングの様々な可能性にも限界はある。車を持たないウォーカーが公共交通機関で行けるウォーキングコースには限りがあるし、人の手が自然に及んでいない地域では、電車の線路さえも自然破壊になる。

ウォーキング・アドベンチャー

 限度があるにせよ、エンジンを点火させることなく 、ブーツを泥だらけにしてウォーキングを堪能できるウォーキングコースは数限りなく世界中に存在する。
 直線的なコースを踏破する魅力的なアドベンチャー体験は、同じコースをグルグル回っているだけでは得ることができない。クック船長も、そんなアプローチでは英国へ出戻っていたに違いない。

 ニュージーランド北島中心部に位置するトンガリア・アルパイン・クロッシング(Tongariro Alpine Crossing)は、カーフリー・ウォーキング運動のモデル地域だ。凄まじいクレーターと、きらきらと輝くエメラルド湖が作るドラマチックな風景の中を突っ切る直線ルートは、日帰りで楽しめる世界で最も壮大なウォーキングコースとして知られている(少なくともニュージーランド人の中では)。
 この雄大なハイキングコースは、毎年非常に多くのウォーカーの人気を集めているが、ウォーカーの多くが車を家においてカーフリーでハイキングに参加していることからも恩恵を得てている。

 毎朝、地元のバス会社による14台のシャトルバスが、「トランパー(地元住民がウォーキングに来る人々を呼ぶ名称)」を近くの街まで迎えに行き、ウォーキングコースのスタート地点まで送り届ける。
 まるで別世界にいるような景観(映画「ロード・オブ・ザ・リング(トールキン原作)」の「中つ国」の撮影場にもなった)の中を踏破する忘れ難い一日を過ごした後で、一日中運行しているシャトルバスが、スタート地点から北に19.4キロほど離れた地点までウォーキングで疲れたトランパー達を迎えに行く。
 この大変能率がよいサービスのおかげで、トランパーだけでなく地元住民さえも、わざわざ自家用車を使う人は少ない。これは、車の利用に頼っている国では際立ったカーフリーシステムだ。

 New Zealand Great Walks(訳注:New Zealand Great Walks は、ニュージーランド各地にある美しい自然景観を見所とする9つのハイキングエリアで、環境保全省と観光関連企業による訪問者へのサービスが充実している)の全てで、同じようにシャトルバスが運行されている。環境保全省職員がそれぞれのルートのシャトルバスの運行管理をしていて、ウォーカー達の便宜を図っている。このようなニュージーランドのシステムは、ウォーキングコースをカーフリーに保つための取り組みとして、多くの国で参考になる実施例だ。

 その他にも、米国のアパラチン・トレイルやペルーのマチュピチュ・ハイキング等の有名な長距離ウォーキングコースを、多くの人が公共交通機関を利用して踏破している例もある。
 これらの例では、ウォーキングコースへの距離の遠さや、車を所有しない外国人ウォーカーが多いため、自家用車以外の交通手段が理に適うアプローチになっている。

ハイキングに出かけよう

 訪れる人の数が十分でない場合もあるため、すべてのウォーキングコースに専用バスやシャトルを開通することは不可能だが、多くの地では、既存の公共交通機関を利用することができる。
 英国では、湖水地方やハイランド地方などで堪能できる素晴らしい風景を求めて世界中からハイカーがやってくる。英国では鉄道使用の歴史が長いため、地方にも鉄道の駅が数多く残っており、その多くは車ではたどり着けない地域で、現在も使用されている。 大都市の群衆から逃れるには最適のカーフリー・ウォーキングのセッティングだ。

 カーフリー・ウォーキングは日々人気を高めている。ウォーキング雑誌やウォーキング・グループは、ルート計画に公共交通機関情報を載せたりして、カーフリー・ウォーキングの促進に力を注いでいる。多くの国の駅やバス停では、ウォーキング用の杖やリュックサック、そして泥だらけの足跡が見受けられる。カーフリー・ウォーキングの普及には、もうしばらく時間を要するが、より多くの人がカーフリー・ウォーキングに関心を示していることが分かる。

グリーン・ウォークを見つけよう

 交通渋滞は英国各地の田舎で大きな問題になっており、多くの場所が夏の高速道路と類似した様相になっている。カーフリー・ウォーキング運動は2007年、今では丘の上まで走り回っている車にフラストレーションを溜めた二人の友人たちが始めた運動だ。彼らがこの運動を始めるきっかけとなったのは、多くのウォーキングガイドブックに掲載されていた駐車場に関するアドバイスだった。

 たいていのガイドブックでは、地方まで車で出掛けることを当然の前提にして駐車場を紹介している。もっとも腹立たしいのは、多くのガイドブックが、近くの駅の駐車場を最適な駐車スポットとして紹介していることだ。しかも、電車に乗ってウォーキングスポットへ出掛けるという選択肢が、まったく言及されていないのだ!

 カーフリー・ウォーキングのウェブサイトでは、英国内の150以上のウォーキングルートを紹介し、あなたがカーフリー・ウォーキングを計画したり推奨したりすることをサポートしている。www.carfreewalks.org
 詳細については、下の関連サイトを参照のこと。

筆者:ティム・ウッズ(Tim Woods) 翻訳:鈴木友里絵


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