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オランダでの出産について

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伊藤 愛 セルトーヘンボス、オランダ
day
2012-06-10
 

自宅で生んでよかったわ!のオランダ

 オランダの出産は、JCC財蘭日本商工会議所ホームページによると自宅出産が30%、病院が60%、残りがホームドクター10%だそうです。病院の場合でも通常分娩の場合、出産後6時間ほど経つと退院となるようなので、自宅出産を希望される方も多いようです。また,自宅もいやだけど病院はいや,という人のためには分娩ホテル(Kraam Hotel)なるものもあり,家族でしばらく滞在できるようになっています。(これもすべて保険でカバーされるようです。)

 周りの友人達の話でも、”病院で出産したのはいいけれど産後でくたくたなのにゆっくり休む暇もなく家にかえされた、それなら自宅で生んでいれば良かった。”とか、”病院に行くのに間に合わなくて自宅で出産した。”とかも結構あるようで、思うように進まないことも。

 外国人の間では病院出産、帝王切開が人気ですが,オランダ人に聞くと皆口をそろえて”自宅で産んでよかったわ!”という答えが返ってきます。自分のなれた空間で自分の好きなことをしながら陣痛に耐え,家族とともに自分のベッドで出産を迎える。そして赤ちゃんは生まれたときから自分のうちで母親と,家族と過ごせる。

 自宅出産にもいろいろあって、最近は自宅での水中出産がとてもポピュラーで,専用プールを借りることもできるそうです。

 病院が自宅か迷ったものの、体調は良くなっていたのでパートナーとも話し合った上でオランダ式にジェフとマリアンと自宅でトライすることに決めました。

いざ,出産の準備

 特に問題なく妊娠期間が過ぎれば、自宅での出産となります。保険会社から出産が近くなると出産時と産後に必要な用具一式のはいった自宅出産セットが届いたり,ベットを高くする道具を借りたり(助産婦の方々が腰を痛めず作業できるようにだそうです)、だんだん本番が近づいているのが現実味を帯びてきます。

 うちは狭いので赤ちゃんに一部屋はないのですがたいていのオランダ人家庭では子供部屋は赤ちゃんのときから与えられるので赤ちゃんの部屋も予定日前にととのえるのが普通です。ベビーベット,洋服タンス、コモド(おむつを替えるときの専用の台)、そろえるものはいろいろあります。赤ちゃんの性別によって子供部屋の壁の色を塗り替える家庭も多いようです。

 ほかにもお風呂やチャイルドシート、ベビーカーにその他諸々のベビー用品をリストにそってそろえていくだけでもあっという間に臨月になってしまいました。

安心のシステム、クラムソルグ

 日本の出産との大きな違いの一つに、出産後のケアーでクラムソルグ(産褥期訪問看護士)というシステムがあります。自宅やホテル・病院での出産の際に、助産師のアシスタントをすることからはじまり、産後は毎日家庭訪問をして、産後の健康な母子のケアを行うのがクラームゾルグの役割です。

 出産後は自宅ならそのまま,病院でも異常がなければすぐにうちに返されるのですが、赤ちゃんの専門家、クラムソルグの人が1人しばらく毎日自宅まできてくれるのでこちらに家族のいない私たちでもとても安心して出産に挑めます。同じ人が毎日きてくれて,母親と赤ちゃんの健康状態のチェック、お世話,お風呂の入れ方や授乳指導、必要があれば掃除や料理など日常の細かい雑用まで手伝ってくれます。

 オランダで出産する場合、最低でも24時間(3時間づつ8日間)はこのサービスを受けることが義務づけられています。(2012年現在)共稼ぎの家庭では一日8時間づつ2週間利用することが多いようです。

 クラムソルグの料金は、今のところ公定料金が定められています。2011年料金は 41,96ユーロ(1時間当たり)ただし、ケア料金1時間につき3,90ユーロは基本健康保険加入者は自己負担です。以前は、自己負担はなく、オランダの健康保険に加入してさえいれば、すべて無料で利用できたようなのですが、現在は自己負担が発生します。

オランダの健康保険

 ここで少しオランダの健康保険のことに触れておくと、以前は政府の運営する公的健康保険(Ziekenfonds)と民間の健康保険(Particulier)の2本立てで高額所得者をのぞいてはみな料金の一定した公的保険にはいることが法律で定められていたのですが,2006年からは公的健康保険はなくなりすべてが民間の保険となり,オランダに居住するすべての人のオランダの保険会社の健康保険加入が義務づけられています。
 民間の保険なので掛け金も保証の内容もバラバラですが、基本健康保険(Basispakket)の内容は法で規定されており,妊娠出産はどの保険会社に加入しても基本的には無料、というのは同じです。

クラムソルグ探し

 クラムソルグも自分で探して電話しなくてはならないのですが,ジェフとマリアンにもらったパンフレットにあった何件かのうちで一番自宅に近い会社に決定。電話を入れると面接に自宅まできてくれるとのこと。この面接で私はパートナーが1ヶ月仕事を休んでくれるよていだったので最低の24時間8日間きてもらうことにしましたが、場合によっては延長も可能なので小さい子供が沢山いる家庭は母体の回復の具合により延長もよくあるようです。

 このシステムはオランダ独自のもののようで,うちにきたクラムソルグの方によると、歴史も戦前1920年頃からずっと続いているそうです。これも前に述べたように保険でほとんどカバーされるので、個人の負担はほんのわずかなものです。アムステルダムなど大きな都市日本人の産褥看護士の方もいらっしゃり、日本人ママさんの間で人気があるようです。

いざ,出産(次ページ)
 


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