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ダイバーシティとは - カリフォルニア・ダイバーシティ Vol.1

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飯田恵子 東京都 飯田恵子 東京都
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2007-06-24
 

ダイバーシティとは?

 日本人が「アメリカ人」と聞いて反射的に思い浮かべるのは、「金髪・碧眼」の彫りの深い白人の顔立ちではないだろうか。

 しかし、アメリカの中で最もアジア太平洋の近くに位置し、メキシコにも国境を接するここカリフォルニアでは、ヒスパニック系やアジア系、そのほか様々な肌や顔立ちの人が大勢暮らしている。

  例えば、全く日本人と見分けがつかない顔立ちをしながら、全く日本語が話せず、日本という国についてもあまりよく知らないというアメリカ人も大勢暮らしているのが、カリフォルニアなのである。

 そんなカリフォルニア州のロサンゼルス市に住んでいて、よく耳にするのが、「ダイバーシティ(多様性)」という言葉である。

 「カリフォルニア州の特徴は?」と聞かれて、カリフォルニアっ子の多くが胸を張って誇らしげに答えるのが「エスニック・ダイバーシティ(民族の多様性)」や「カルチュラル・ダイバーシティ(文化の多様性)」という言葉である。

 実際に2006年の米国勢調査局の発表によると、カリフォルニアにおける白人(非ヒスパニック)の人口比は43.8%と過半数を割っており、「白人がマイノリティ(少数派)で、マイノリティ* が多数派」という奇妙な人口比の逆転現象がすすんでいる。
 つまり、ここカリフォルニアでは、「金髪・碧眼」の白人は少数派なのである。 
 
 このような人口構成を有するカリフォルニア州では、移民や人種に関する研究や、多様な価値観を尊ぶ活動が盛んに行われている。これからそうした当地の特性を含んだ様々な動きを徐々に紹介していこうと思う。

「ダイバーシティ&インクルージョン」

 まず第一弾として、2007年3月にロサンゼルスで、あるNPO組織(Global Organization for Leadership and Diversity)が主催した「21世紀女性リーダー:日米リーダーの架け橋」というシンポジウムの模様を紹介したい。
 このシンポジウムには、日米で活躍する女性経営者・幹部・専門家ら約200名が参集し、女性や有色人種のリーダー育成における企業の有益性や、多くの多国籍企業が採用している「ダイバーシティ&インクルージョン」といった多様化への実践戦略について相互の情報交換を行った。


[当日のシンポジウム会場の様子]



 このシンポジウムのユニークな点は、通常は「女性シンポジウム」というと、フェミニズムの問題に焦点が流れがちであるところを、そこはカリフォルニアらしく「女性」という問題には絞らず、「多様性」や「グローバル化」といったことに焦点を当てながら議論が行われたところにある。

 具体的には、ひとつの企業が、国際的に活躍するグローバル企業として今後成長していくには、「異なる価値観・文化を企業内で認め合うことがいかに重要か」ということを議論しながら、その中のひとつの鍵として「女性の活用」を取り上げ、実際に女性を積極的に活用して、女性の社会的進出を支援している多国籍企業の収益効果やビジネスの成功事例を取り上げたパネル・ディスカッションが行われた。

「ダイバーシティ部門」や「ダイバーシティ窓口」

 また、カリフォルニアの民間企業や政府機関の多くには、必ずといって良いほど「ダイバーシティ部門」や「ダイバーシティ窓口」といった専門の部署が設けられているが、その部門で働く幹部らも多く出席して、多様性の要素(人種、性別、身体的特徴、年齢、学歴、職種、職位など)によって生じる個々の違いをまず受け入れた上で、「違いから生まれる相乗効果」をどのように効果的に生み出していくかについて具体的な話し合いが行われた。
 
 最後に、参考までにUNDPが2006年に発表した人間開発報告書によると、女性の政治・経済分野における意思決定率や経済的自立度を数値化したGEM(Gender Empowerment Measure)値は、アメリカが75カ国中12位、日本が42位となっている。

 世界第2位経済大国である先進国・日本は、残念ながら女性の活用や社会的進出という社会的観点からは未だ国際的に大きな遅れを取っており、今後、社会全体の仕組みや意識を変え、多様性を重視していく必要があるのは明らかである。

 さらに現在、日本では高齢化や少子化が急速に進んでおり、今後は外国人労働者の受け入れに伴う多様な文化や価値観に関する議論や、女性の労働力率向上の議論が大きくクローズアップされることも予想される。このような観点からも、今回のシンポジウムの討議内容や、当地の多様化主義の在り方に学ぶことは多いのではないだろうか。

*人口の6割近くを占めるマイノリティの人口比の内訳は、ヒスパニック系が35.2%、アジア太平洋系が12.6%、アフリカン系が6.7%、アメリカ原住民・アラスカ原住民が2.4%となっている。


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