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2012-04-16 (月)

脱原発ポスター展の本がでました。

カテゴリー:お知らせ | 書評

 昨年4月に開設した脱原発ポスター展には、これまで1400点以上の作品が投稿され、多くの人がデモに持っていってくれました。日本のデモを可愛くてポップなものにして、デモ参加のハードルを下げることに、多少は貢献できたと考えております。
  
 その後、全国で12万枚以上を配った「脱原発うちわ」や、全国30カ所以上で開催された「みんなの街の脱原発ポスター展」、同様にドイツ・スペイン・アメリカなどで開催されたリアル脱原発ポスター展など、私たちの予想を遥かに超えた展開を続けています。そして今回、脱原発ポスター展の作品集が出版されることになりました。
  
 本当はもっと活動報告を全面に押し出した本が作りたかったのですが、その辺は出版社の意向とやや違って、とってもアーティスティックな仕上がりになっています。
これも団扇(うちわ)や缶バッジなどと同様に、利用者の手になる新たな作品の一つなのだと理解しています。
  
 この本の売り上げは、経費を除く印税の全額が「つながり・ぬくもりプロジェクト」に寄贈されます。私たちの活動は、これまで表現活動に偏っていましたが、今回ようやく被災地支援もできることになり、大変嬉しく感じております。
  
 今後も引き続き、エネルギー・シフトと被災地支援のために活動を続けたいと考えております。地方では注文販売になるかもしれませんが、ぜひご購入いただければ幸いです。
  

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2011-11-23 (水)

[書評]代替医療のトリック

カテゴリー:書評

この本のタイトルが、もっとニュートラルなものであれば、より多くの人が手に取っただろうに、と思うと大変残念な印象を受ける。この本のタイトルから予想される内容とは異なり、これは「代替医療のトリックを明らかにしている本」では、まったくない。
  
この本が示しているのは、「本当に効いたかどうか」を判断するために必要なデータとは何か、ということである。
  
代替医療の信奉者はしばしば、「科学者はどうして効くのか理由のわからないものには目をつぶり、見なかったことにする」、という批判をするが、この本を読むとその批判がまったく的外れであることが分かる。
  
「理由が分からなくても本当に効くのなら良い。しかし、それは本当に効いているのか。」
  
この本が明らかにしているのは、そのことである。第一章は、代替医療ではなく、通常の医療の話なのだが、現在の通常医療は、言うまでもなく登場した当時は代替医療だった。それが、現在の主流医療として認められるに至ったのは、「本当に効く」ことを、誰もが納得するデータによって示してきたからだ。
  
ここに登場するナイチンゲールもその一人である。ナイチンゲールは、野戦病院で献身的に働いた看護師として広く知られているが、実は数学が得意で、病院の衛生状態の重要さや、訓練された看護師の必要性を統計によって示し、当時の医学界を説得して病院の衛生状態を高め、看護師学校を設立したことで後世に名を残したのだ。
  
当時の医療界では、訓練された看護師の必要性は認められておらず、むしろ「訓練した看護師が世話をした患者の死亡率は、訓練を受けない看護師より高い」と言われていた。これは、重病患者の多い病院に訓練された看護師が派遣されることが多かったために起きた現象なのだが、科学的にデータを分析する習慣のなかった当時の人々は、自分の目で見たままに、「看護師を訓練するのは無駄である」と思っていたのだ。
  
同じように、病院の劣悪な衛生環境の改善が患者の生存率の向上に効果があることも、当時の医学ではまったく認められておらず、この本でも何度か指摘されるように、当時の病院は、むしろ行かないほうが安全であるような場所だった。
  
興味深いのは、現在広く浸透している代替医療のいくつかは、この当時の劣悪な衛生状態の病院への批判に起源を持つものだということだ。その意味では、当時の主流医学を批判した代替医療は、まったく的外れというわけではなかったのだ。しかし、現実に当時の医療界を改革したのは、科学的な統計に基づく医療だった。代替医療に関心を持つ人は、ぜひ医学の歴史を記した第一章だけでも、読んでみて欲しいと思う。
  
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2011-11-20 (日)

黄土高原のなつめが実る村を訪ねて

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常) | 書評

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内モンゴルから南側の、黄河が大きく蛇行する広大な流域は黄土高原と呼ばれ、その面積は日本全体に匹敵する。粘土質の高原を無数の河川が浸食し、聳え立つ台地と深い渓谷とが延々と繰り返される地形を形成している。
  
見晴らしの良い高台の山頂に立って周囲を見渡すと、谷の向こうにそびえる高台の向こうに高台があり、そのさらに向こうに高台が連なっている。見渡す限り360度が高台と渓谷で形成され、そのすべての台地が、視界の及ぶ限り、段々畑で埋め尽くされている。事前に話は聞いていたが、そこに立つまでは想像することのできない光景だった。
  
1000年を超えて営々と積み重ねられた人間の巨大な足跡の前に立って、しばし自分の小さな人生の選択について思いを馳せずには居られなかった。
  
山西省の黄河近く、黄土高原に住む人々が作る横穴式住居(ヤオトン)に暮らす大野さんを訪ねたのは、この11月はじめだった。初めて高度高原の村を歩き、ヤオトンの宿に泊まった。ヤオトンは聞いていたほど寒くはなかった。といっても11月初め頃は、まだ寒さが厳しくなかったが、今頃は、夜はマイナスになるので、厳しくなるのはこれからの季節だろう。
  
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「記憶にであう」の著者である大野さんは、かつてこの地で行われた日本軍による燼滅作戦(いわゆる三光作戦)の被害者を訪ねて、「最後の」聞き取りを行っている。「最後の」、というのは当時のことを記憶する老人たちが、いま次々に亡くなりつつあるからだ。大野さんによる聞き取りが、おそらく三光作戦の最後の聞き取りになるのだろう。
  
旅人に過ぎない私たちは、「記憶」に出会ったとは言えない。273人の住民たちの逃げ込んだ大きなヤオトンを日本軍が煙でいぶして皆殺しした場所で、私は黙祷をささげた。それ以外は、親切で柔和な住民たちと出会い、広大な段々畑の光景の中にたたずみ、古い伝統がそのまま残されたヤオトンの美しい村を歩き見て、行く先々で頂くナツメを齧っていたに過ぎない。
  
読みかけだった「記憶にであう」は、帰国してから一気に読んだ。この本には、大野さんが中国の親切な老人たちと供に過ごす現在の時間と、彼らが証言する日本軍の残虐行為の行われた時間とか、交互に現れるように編集されている。この本の中の大野さんを通して、この地で多層的に重なり合う時間を垣間見ることができた。この本を読んだ後では、私の黄土高原の記憶も多層化して存在している。
  
大野さんの暮らすヤオトンの村は、炭鉱が家々の下まで伸びてきたために崩壊の危機に瀕している。近い将来には村のヤオトンはみな崩れ、段々畑は放棄され、本物の荒野が広がる地になってしまうかもしれない。一方で、ヤオトンの宿がいくつか集まる村は、将来は観光地として世界の人々を惹きつける可能性も感じられた。
  
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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2010-12-01 (水)

<BINシンポジウム「国産材の需要と供給を結ぶ~加工・流通のマネジメントと マーケティングをどう進めるか~(仮題)」のご案内>

カテゴリー:イベント情報 | 書評

日時:2011年1月13日(木) 13:30~16:45
主催:NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)
共催:W-BRIDGE
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター セ-102
東京都渋谷区代々木神園町3-1(小田急線参宮橋駅(新宿より2駅)より徒歩7分)
http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html
参加費:BIN会員 無料、一般 1,000円
  
プログラム:
1.「国内の木材加工・流通の現状」 赤堀楠雄氏(木材ライター)
2.「国産材加工・流通の先進事例の紹介」 能口秀一氏(木材コーディネーター)
3.「木材加工・流通の政策の変遷と見通し」遠藤日雄氏(鹿児島大学農学部教授)
4.「住宅メーカーから見た木材加工・流通」 住宅メーカー(交渉中)
5.「最終ユーザーからの視点」 永田潤子氏(大阪市立大準教授)
6.パネルディスカッション「国産材の需要と供給を結ぶ ~加工・流通のマネ
ジメントとマーケティングをどう進めるか~」
<パネリスト>
講演者+金谷年展氏(慶応大学教授)、岡田久典氏(W-BRIDGE)、相川高信氏
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
  
[講演タイトルはすべて仮題です。また、出演者および順番が一部変更になる場
合があります]
  
※NPO法人バイオマス産業社会ネットワークでは、今以上のバイオマス利用の拡
大には、国内林業・林産業の振興が不可欠との考えに基づき、2010年1月、「日
本の森林バイオマス利用を進めるには~日本林業復活のための提案~」を開催し
ました。(このシンポジウムの概要はバイオマス白書2010に掲載しています。
http://www.npobin.net/hakusho/2010/
  
※このたび、その第2弾として、林産業の川中・川下に焦点を当てたシンポジウ
ムを開催いたします。
  
※林業そのものの関係者以外にとって、国産材の価格が高くないにも関わらず、
木材の自給率がなぜ2割程度なのか理解しにくいところです。これまで国産材が
使われにくかった主な理由に、木材加工および流通が抱える課題があると考えら
れます。
  
※国産材加工・流通の現状と課題を、特に国産材の主な用途である住宅用建材、
内装材などに焦点を当てながら明らかにし、阻害要因を整理し、具体的な解決策
を探りながら、今後の対応について議論します。
  
※従来、外の人間にわかりにくかった事柄を様々な角度から議論することで、今
後の林産業の進展に役立てば、大変幸いに存じます。多数の方のご参加をお待ち
しています。
  
※参加を希望される方は、下記よりお申し込みください。
http://www.npobin.net/apply/
(画面右端の「詳細」ボタンをクリックしてください。)

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2010-04-13 (火)

官僚とメディア(魚住昭 著)

カテゴリー:書評

検察の暴走とメディアの追従(あるいはその逆)について、著者は既に2007年に指摘していた。村木元局長の事件までは半信半疑だったのだが、どうやら検察の暴走やメディアとの癒着は本当のことらしい。
  
姉歯事件の報道についても、ヒューザーの小島社長、木村建設、総合経営研究所の所長、とメディアでは「悪い奴」らがたくさん登場したが、何と驚いたことに彼らは本当に被害者で、実質的に姉歯の単独犯罪だった。
しかも、元はと言えば、後で取り替えるつもりでダミーで出した構造計算が国交省の審査を通ってしまい、差し替えができなくなったことが、最初の犯罪だった。
  
この件で最も責任が重いのは、建築確認システムを形骸化させた国交省なのだ。
  
しかも驚愕するのは、国交省は自らの責任を回避するために、検察と共に上記の人々を生贄とした。メディアは完全に官僚に操られていたか、あるいは本当の責任に最初から関心がなく、誰かを責めることで視聴率が上がれば良かっただけなのだ。
  
これらの人々は、構造計算の問題とは別件で逮捕され、別件で処罰された。それは違法行為の処罰ではなく、完全な見せしめだ。しかも罰せられた行為は営利企業では珍しくないことばかりだったのだ。裁判でも、彼らの違法行為は「建築確認の違法とは関係がない」という判決が出ている。
  
他にも様々な事例が出てくるので、メディアと官僚の癒着、検察の暴走などに関心のある人は読んだほう良いと思う。
  

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2008-12-13 (土)

テレビの嘘を見破る (2004 新潮社 今野勉著)

カテゴリー:書評

海外では、「ドキュメンタリー」の定義が、「現実の写実、あるいはまじめな再現」であるため、海外のドキュメンタリーには、現在の日本では「やらせ」と認定されるような演出が日常的に含まれる。
  
例えば、ある村落の文化・生活を表現するための優秀なドキュメンタリー作品において、描かれた家族は、実は本当の家族ではなく、村落から集められた人々であるようなケース。日本では最近の「やらせ批判」によって、海外のように堂々とは行わなくなったが、程度の差はあれ、今でも日常的に行われている。
  
本を読むと、捏造と演出あるいは効率化の境界線のケースが多く、再現をすべてなくしたら、表現としてもビジネスとしてもテレビは成立しないことが分かる。一方「これは再現である」という但し書きを、すべてに入れるのが難しいことも分かる。むしろ見る側が、テレビというものは、情報を「物語化」して伝えるメディアだということを前提にする習慣をつけるほうが良いのだろう。
  
物語化というのは、「事実とされる話」を再現することによって「事実」とするということ。「テレビは嘘をつく」というよりも、「テレビは事実を構成する」という方が良いと思う。
  
といって新聞が事実を伝えるかというと、必ずしもそうでもない。
  

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

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