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2011-10-30 (日)

学生団体ALPOのパームオイル・イベントに行ってきました。

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常) | 劇評 | 動画

alpo
  
この夏に10日間、マレーシアとインドネシアを訪問し、現地のプランテーション企業や、小規模農民の話を聞いてきた学生団体ALPOの現地報告イベントに行って見ました。
  
深刻になりがちなテーマですが、最近の学生らしく、楽しい雰囲気のイベントでした。いくつか感じたことをメモしておきます。
  
環境に関する問題意識は、社会的に広く共有されつつある、と思っていたけど、学生たちと話すと、そもそも森林破壊の何が問題なのか、なぜ環境を守らなければいけないのか、その根拠となる知識やシンパシーは、実は思っていたほど共有されていないのではないか、という気がしました。
  
参加した学生たちを見ていると、環境を守る必要について頭で理解する一方、豊かになったと喜ぶ農民たちの気持ちに対しては、感情で理解している、という感じ。
  
パームオイル生産には色々問題はあるようだけど、これで豊かになっている農民もいるのだし、「推進やむなし」、のような雰囲気が強かった気がする。
  
実は、これは今回の報告内容を正確に反映している気がしました。事前に酷い労働条件と聞いていた出稼ぎ労働者たちが、意外に希望を持って暮らしていることや、パームオイルによって豊かになった村や小規模農民を訪問したことなどの驚きが、全面に出た報告だったと思う。「聞いてたほど酷くないじゃん!」という。もちろん私の個人的印象です。
  
これは、今回の訪問では、パームオイルの問題点に関しては、あまり見る機会がなかった、ということなのか、パームオイルの問題は思ったほど重大ではない、あるいは解決しつつある、ということなのか、ここの考え方が難しい。
  
パームオイルのネガティブな面として、グリーンピースのネスレ批判の動画を流したりもしたのだけど、その時間は「ネガティブ・キャンペーンという手法を相対的に捉える」、という課題になってしまっていて、「パームオイルの問題点を感じる」という課題になっていなかった。
  
一つ考えたのは、私自身の「問題不感症」のような感覚の問題。パームオイルの問題について、私に平均以上の知識があるので、この程度の問題報告では知覚されないのかもしれない。学生たちは問題意識を持ったのかも。うーん。これは違いそうだ。やはり話した学生たちは、あまり問題意識を持ったように見えなかった。
  
もう一つ、取材バイアスというのもある。今回のツアーは、エコツアー会社がコーディネートしているとのことなので、取材先の取捨選択にバイアスがある可能性はある。けれど、このバイアスは、どんな取材でもありうることなので、「より問題報告の多い取材にバイアスがない」、などとは当然言えない。
  
「問題報告だけを好んで見て、企業批判だけする」、という態度に自分が陥っていないか、常に検証する必要もある。
  
ただ、「こういう取材にはこういうバイアス」ということに関する知識は、現地報告が多数行われれば、行うほうも参加者も経験知を得ることができるのでしょうね。だから、どのような団体が旅行をコーディネートしたか、という情報は、現地報告ではかなり重要な情報だということになりそうです。
  
というようなことを考えながら帰宅したわけですが、肯定面と否定面の間で、どう考えるか、というのがパームオイルの問題について考える時の難しさだということは、以前からALPOの皆さんとは話しをしてきたことで、「今回参加する学生たちに伝わるのは、こうだ」、と彼らなりに議論を重ねて企画を立てたであろうことは、よく伝わって来ました。
  
いずれにせよ、現地の農民のインタビューなどは貴重な情報なので、ぜひYou Tubeなどで広くシェアしてもらえると有難いです。

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0


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