持続可能なパームオイル円卓会議(RSPO)がオランウータン絶滅を加速
カテゴリー:ニュース
ジャカルタ・ポスト紙の報道によると、インドネシアのオランウータン保護センター(COP)が、環境に優しいやり方をしているというパームオイル企業の主張にもかかわらず、野生のオランウータンが絶滅の脅威に曝され続けていると告発している。
森林や泥炭地のオイルパーム農園への転換のモラトリアムの承認をパームオイル企業が拒否している。それが、とりわけ保護区域外に住むオランウータンの消 滅を加速している。「パームオイル生産者は、”グリーン”なイメージを作るために”持続可能なパームオイルに関する円卓会議”(RSPO)を喧伝してい る。事実は、RSPOの指針とオイルパーム農園のための森林刈り払いの間のどんな関係も立証されていない」。
パームオイル産業はRSPOの基準の論議に忙しく、森林伐採は衰えることなく続き、オランウータンを殺しているのだという。
RSPO a real threat to orangutans: Group ,The Jakarta Post,9.5
http://old.thejakartapost.com/yesterdaydetail.asp?fileid=20080905.H04
COPの最近の調査で、セントラル・カリマンタンの二つのパームオイル企業が森林の刈り払いでオランウータンを危険に曝したことが分かった。どちらも RSPOのメンバーである。COPの調査チームは、オランウータン、マレーグマ、ボルネオギボンを含む希少保護野生動物の存在を示すネット、足跡、残った 食料、音を発見したが、これに関する企業からの報告はなかった。
セントラル・カリマンタンは、2004年に3万1300のオランウータンを数えたインドネシア最大のオランウータン生息地である。COPの推定では、こ の数は年に9%の割合で減っており、現在は2万32頭しか残っていない。このうちの8631頭が指定された保護区域外に住み、しばしば脅威に曝される。オ イルオパーム農園を開くために生息地が破壊されるからである。
RSPOは世界中で69の関係者が参加、インドネシアの39の企業も参加している。しかし、環境責任や自然資源と生物多様性の保全を含む39の基準と8 つの原則の実施を要件とする公式のRSPO認証を受けたインドネシアのオイルパーム農園は一つもない。RSPOは、メンバーが高度の保全価値を持つ原生林 や森林を切り開くのを禁じている。
RSPOのスポークスウーマンは、RSPO違反をめぐる公から訴えは未だないと、COPの告発を認めていないということだ。
出典:農業情報研究所(WAPIC)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/index.html