太陽熱温水装置の可能性と展望
カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)
先日、太陽熱温水器を設置する業者の方とお話しする機会があった。太陽熱温水器の性能もかなり向上しているようだ。以前のように屋根の上で暖めた温水を直接利用するのではなく、不凍液を循環させることで、利用する水を温める間接的な方式になっているとのこと。
この製品だと、集熱板が4枚あれば、給湯はすべて賄うことができるそうだ。ただし、夏の間に過集熱が発生し、不要になった温水が放水されるためにコストが無駄になるとのこと。さらに、過集熱によって、循環する不凍液が蒸発して空気玉が発生し、その玉がポンプを破損する可能性があることなどから、3枚程度にするのが一般的だそうだ。
ただし、夏の間だけ集熱板の上にカバーを掛ける労力を厭わなければ、4枚設置することで給湯はすべてカバーできるとのことだった。
参考までに、新築の場合に、温水を利用した暖房装置を設置するとしたら、何枚の集熱板で足りるのかと聞いたところ、15枚で足りるだろうとのことだった。夏の間は、このうちの13枚が不要になる訳なので、現状ではコストパフォーマンスに問題がある。
しかし、過集熱した温水によって発電する装置は、意外に早く、数年後には普及するだろうとのことだった。さらに、温水から電気を使わずに直接冷房を行う装置も、大規模なものは既に開発されているので、家庭用にもいずれは実用化されるだろうとのことだった。
温水から冷房を行う装置が家庭でも実用化されれば、家庭で使う電気は大幅に減少し、発電所も不要になるところが出るはずだ。
もちろん地理的な条件は影響するので、日照時間の短い地域では難しいが、幸いに私の暮らす松本平は日照時間が長い。どうやら現在は、太陽光と太陽熱のセットが効率的だが、もうしばらくすると太陽熱が最も効率の良い方法になっていきそうだ。