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2010-02-11 (木)

結婚制度の多様化(少子化対策)

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)

少子化対策には結婚制度の多様化も大きな影響がある。例えば欧州でもっとも出生率の高いフランスでは、婚外子が新生児に占める割合は、50%を超えている。ただし、ここで言う「婚外子」は、日本でいう事実婚も含むが、同一ではない。フランスには、PACS(連帯市民協約)といって、税制上は結婚と同等の優遇措置があるが、解消するには一方の意思だけで良い制度がある。1999年の制定当初は、同性愛者の利用者が40%程度だったが、現在は数%に過ぎない。
スウェーデンにも「サムボ」という事実婚の権利を保護する制度があり、フランス同様、新生児の50%以上が、婚外子となっている。オランダにも「登録パートナー制度」という同様の制度がある。
  
周りの人に聞いてみると、「子供は欲しいが結婚はしたくない」という人は少なくないようだ。もちろん「結婚はしたいが子供は欲しくない」という人もいる。ニーズが多様化しているのが現代社会の特徴であるので、労働制度だけでなく結婚制度も多様化していく必要があるだろう。
  
少子化対策に関するあるサイトに、「少子化が問題なのではない。少子化は、問題のある社会で生じる症状なのだ」という意見があったが、まったく同感だ。問題は、子供が少ないこと自体ではなく、子供を作りたいのに作れない現代社会のあり方なのだと思う。このことは、単に財政的な支援を与えるだけでなく、自由な労働形態や事実婚などの多様なライフスタイルのニーズに対応するための総合的な制度設計が必要であることを示している。

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投稿者:三沢健直  Comments: 1 Trackbacks: 0

2010-02-04 (木)

欧州の少子化対策(ワーク・ライフ・バランス)

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)

女性が仕事をすると子供を持ち難い状況が少子化を進めたという認識の下で、欧州ではワーク・ライフ・バランスに配慮した制度が導入されている。
ストレスを感じることなく子育てと仕事を両立できるための労働環境のことで、育児休暇の充実や、保育サービスの充実、出産後の仕事復帰の容易さ、父親の育児休暇、フレックスタイムや在宅勤務の導入など、幅広い分野の制度が含まれる。
  
なかでも基本的に重要なのは1)労働時間の短縮と2)パートタイム労働とフルタイム労働の公平化である。
  
労働時間に関しては、フランスの週35時間労働制度が有名だ(ただし、超過勤務は可能なのでINSEEによる2007年の調査では、フルタイム雇用者の平均労働時間は39時間程度だった)。
  
また、スウェーデンには、「サバティカル休暇制度」が2005年から全国で実施されている。勤続2年以上の労働者は、最長一年間の休暇を得ることができ、その間、賃金の68%を受給することができる。その間、パートタイムの労働者が勤務する。ちなみに、スウェーデンの出生率も高く、1.91である。フィンランドで1996年に導入された「ジョブローテーション制度」も類似した制度である。
  
欧州では、1997年にパートタイム労働への差別待遇を禁止するEU指令が施行され、パートタイム労働とフルタイム労働の公平化も進んでいる。イギリスでは2000年に、「パートタイム労働者の不利益取扱いの防止に関する規則」が制定され、報酬や権利は時間比で同等に与えられるようになった。
  
イギリスと比較すると、日本のパートタイム労働とフルタイム労働との雇用条件の差異は、ほぼ「差別」と言ってよい。今回リサーチに参加したイギリスのメンバーは、「非正規雇用」という呼称に驚いたと言っている。まるで「不法滞在」のようで差別的ではないかと。オランダでは、パートタイム労働者の比率が40%を超えており、これはオランダが長期的不況から抜け出した理由と言われている。
  
パートタイム労働の保護の他にも、自営業者として契約する形態での会社勤務など、多様な形での勤務形態が、広がりつつある。

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2010-02-03 (水)

少子化対策(教育費の軽減)

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)

日本の教育に係る費用は欧州に比較すると異常に高い。2005年の国民生活白書(内閣府)の試算によれば、一人の子供が大学を卒業するまでにかかる教育費は528万円とあるが、AIU保険の試算によれば、一人1,345~4,424万円だそうだ(Wikipediaより)。
  
民主党政権は高校の授業料無償化を目指しているが、欧州では普通である。OECDに加盟する30国のうち、高校の授業料が無償なのは26ヶ国、さらに大学の授業料が無償なのは、14ヶ国もある。
  
さらに、授業料が無償なだけでなく、学生の生活費のための奨学給付金も充実している。フランスの奨学給付金は、家族の収入に応じて6段階に分かれており、最大で年4140 €(約550,000円)が支給される。2008-2009年には527,000人の学生がこの奨学給付金を受給した。これらの返済は不要である。

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投稿者:三沢健直  Comments: 1 Trackbacks: 0

2010-01-23 (土)

フランスの子供手当て

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)

少子化対策は、欧州が先行しており参考になる。欧州の少子化対策は、主に1)子供のいる家庭に対する財政支援、2)保育制度の充実、3)教育費の軽減、4)ワーク・ライフ・バランス、5)「結婚」制度の多様化、などの総合的な政策だ。
  
欧州でも、子供関連の給付金がもっとも充実しているのはフランスである。フランスの特殊出生率は、1993年に1.63まで落ちたことがあるが、少子化対策によって上昇した。2008年は2.07となり、欧州でもっとも高い水準である。2008年の日本の特殊出生率は1.31だった。
これは上に挙げた五つの対策の総合的結果であり、給付金だけの効果ではない。とは言え、金額も手厚く、対象もきめ細かい給付金は印象的である。
  
有名なのは、1932年に創設された「家族手当」で、20歳未満の子供2人以上がいる家庭を対象とする手当である。子供2人の場合には、毎月123.92 €(約16,500円)、3人の場合は、282,70 €(約37,500円)、それ以上の場合は1人ごとに158.78 €(約21,079円)が支給される(2009年)。さらに、子供が11歳~16歳になると月34.86 €(約4,627円)、16歳~19歳までは61.96 €(約8,225円)が加算される。所得制限はなく、すべての家庭に支給される。
  
この他に、3歳以上の子供が3人以上いる場合には、家族補足手当が月161,29 €.(約21,000円)支給される。この手当てには所得制限がつくが、家族の形態に応じて年収450万~500万円程度が上限であるので、必ずしも低所得層だけでなく、多くの一般家庭が受給する。また、3歳未満の子供については、一律で177.95€(約23,606円)が支給される。これも所得制限があるが、やはり年収450万~500万円程度までは支給されるため、必要な家庭はほぼ受給可能である。この他にも、各種出生給付金や、一人親のための給付金、障害児のための給付金などもある。
さらに給付金の他にも、子供が多ければ多いほど優遇される税制度もある。また国鉄には、子供料金の他に、子供連れ割引がある。
  
ところで先日、OECDが日本の民主党政権に対し、所得制限なしの子供手当を見直すように提言した。欧州の少子化対策は、子供を作っても仕事に復帰できるような社会制度作りが基本であり、手厚い給付金もその一環として位置づけられる。保育サービスや労働の多様化を実現せずに給付金だけで少子化対策を行うのは、欧州の歴史と比較するとやや時代遅れの感は否めない。
  
これに対して民主党政権からは、「子供を社会全体で育てようとする社会作りだ」、という意見が聞かれる。この意見は、フランスを念頭に置いているのかもしれない。フランスでベビーカーを押してバスや電車に乗ろうとしたり、階段を上がろうとすれば、周りで気がついた人が、当然のこととして一緒に運んでくれる。電車の割引もあり、子連れで外出することのストレスが、日本より格段に低いのだ。日本において、とりわけ出生率が低いのが東京であることを考えると、子連れで外出するストレスの影響は、意外に大きそうだ。

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投稿者:三沢健直  Comments: 0 Trackbacks: 0

2010-01-10 (日)

今年の子育てユニット

カテゴリー:メンバー日記(世界の日常)

 私が参加し始めた2008年に比べて、2009年はレアリゼがすごい速さで変わったように思います。すばらしい!と思いながら、正直、どんどん取り残されている感じがしておりました。さらに、夏の一時帰国時に適応障害を患ってしまい、以降BCでの発言が難しくなってしまい、同時に全体の動きを把握しきれなくなってしまったことが反省点なのですが、開き直りといいましょうか、自分のキャパを尊重しようと思うようになりました。私だからこそできることを、私なりに精一杯しようかなと。
  
 さて今年は、共同リサーチのテーマあたりで話しが出ている「コーヒー」ですが、せっかくコーヒーの産地ラオスにいますので、是非いろいろ調べて発信できればと思っています。
  
 それから、子育てユニット。私自身がぶつかっている問題でもあるのですが、医療の問題、文化の違いに戸惑う子供の心のケアなど、海外ならではの思いがけない実態が見えてきそうで、話し合っていけたらよいなと思っています。そのために、ママ(パパ)メンバーさんたちとの距離も縮めたいですね。チャットミーティングを開いてみるとか。
  
 そして、昨年は得意分野(といいますか、興味のある分野)でなくても、批判を恐れず、とりあえず発言する勇気が欲しいとずっと思い続けた一年でしたので、今年はもっと気軽に発言したいと考えています。
 どうぞ、今年もよろしくお願いします。

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投稿者:村岡桂子  Comments: 0 Trackbacks: 0

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